1999.09.24-25 ★★ 尾瀬・燧ヶ岳 2,356M ★★
報告書
1999年9月24日金曜日は、今年2回目の尾瀬に行き、念願の燧ヶ岳登頂を目指す。
前日「秋分の日」23日は、折しも九州西岸の天草地方を襲った台風18号が一旦は日本海に抜け、東北に再上陸しようとしていた。
今回は、尾瀬沼山荘に一泊するため、自宅を出るのがユックリでも構わない。
関越自動車道を使って赤城高原SAでの一寸遅い昼食を軽く済ませて沼田ICを降りて、大清水駐車場には、2時半位に到着する。
ここは広い駐車場がありユッタリと自家用車を止められる。
ここから、一ノ瀬休憩所までは、一般車は進入できないが林道が整備されており、幅の広い緩やかな登りが約1時間続く。
まだ、紅葉にはほど遠く台風通過の影響か?時々雨が降る中を空を見上げながら黙々と登道を進む。
いくつものカーブを過ぎる毎に休憩所を探すが、なかなか現れない。
正味1時間の緩やかな登りのため、大したことはないのだが、単調さと歩き始めと云うことで少し辛く感じるものだ。
漸く一ノ瀬休憩所に到着し、これからの山道に備え小休止する。
此処までは、大清水の駐車場から一般の観光客も普段着で訪れる人が多い。
紅葉の時期は、結構楽しめるだろう。
橋を渡り橋の切れるすぐ脇から川沿いに入り込むと、三平峠を目指す登りの登山道となる。
約1時間の登りで暫くは川を左手に幅広い道が続く。
まもなく林に入り階段状に整備された道や木道をひたすら昇る。
途中延々と続く登道に挫けそうになるがやっとの思いで三平峠まで辿り着く。
ここからは下りとなり、今日の目的地、尾瀬沼山荘も直に到着する。
途中の下りで尾瀬沼が見える少し展望の開ける場所があり、沼の向こうに燧ヶ岳も顔を覗かせている。
雲が足早に抜ける様を見ながら明日は天気になるように心から祈る。
程なく山荘に着き、受付を済ませ部屋に入る。
予約しないと泊まれない。
予約の電話では、男女別の相部屋になると聴かされていた。
でも、家内と同じ一室で泊まれることに感謝する。
部屋では、持参したロープを張り巡らし汗でビッショリの服を掛け、下着から服まで全て取り替える。
着替えが終わると家内と交代でお風呂に行く。
尾瀬の山小屋は、お風呂があり狭くて石鹸等が使えないが、とても気持ちがよい。
正に極楽。
風呂上がりに缶ビールを頂き、暫しくつろぐ。
山小屋の夕食は、早い時間に始まり1時間位しか利用できない。
この山小屋は、談話室はなく他の登山者との交流は、食堂位。
食事を済ませ、部屋に帰り持参した酒を酌み交わし、今日の道のりや明日の天気などを話しながら、山小屋での早い床に就く。
翌日は、朝早い出発を予定している。
食事を済ませ、頼んでいた弁当を持って、いよいよ燧ヶ岳を目指す。
荷物を入れ直して小さいザック一つに必要な物だけを詰めて出発する。
(昨日干していた服に着替えして!)
尾瀬沼山荘から、尾瀬沼を反時計回りに行くと長蔵小屋と尾瀬沼ビジターセンターが現れる。
さらに進み、沼山峠との分岐にくる。
此処で沼山峠ではなく直角に折れて沼尻平方面に向かう。
約20分程歩くと燧(長英)新道入り口の分岐が現れ此処で、右に新道方面に入る。
およそ1時間程は、なだらかな登りが続く林間の道だ。
少しずつ登りが急になり、ブナやダケカンバが現れる。
振り返ると所々で尾瀬沼を見下ろせる。
やっとの思いで登り切るとミノブチ岳に飛び出し、展望の開けた尾根になっている。
雨は、少なくなってはいるものの霧に紛れて展望は、今ひとつ。
天気の良い時は、目指すマナイター、芝安ーも展望できる筈だが、すっかりガスの中である。
ミノブチ岳から尾根伝いに少し進むと、沼尻に抜けるナデッ窪道との分岐に出会う。
此処まで来れば、残り30分程でマナイターに辿り着く。
頂上に近づくにつれ、急になり岩が現れ気を抜けない。
注意しながら登り切ると四方が開けたピークになる。
生憎のガスで鞍部を隔てて直ぐ見えるはずの芝安ーもガスで全く見えない。
案内の表示を確認しながら鞍部へと下り、又、直ぐに急登となる。
最後の岩場を慎重に登り切ると最高点の芝安ーに出る。
標高2,356m。
8時前に山小屋を出発して3.5時間少し早めに昼食をとる。
高校生らしい10人程の男女のパーティと一緒になり、急に平均年齢が若くなったと、家内と話す。
今日は、これから一端尾瀬沼に戻り、大清水まで一気に降りていく予定。
昼食が済むと早速下山する。
下山しようと頂きに立った時にやっと尾瀬ヶ原がガスの中から覗くことが出来た。
ガスの晴れ渡るのを惜しみながら、出発。
来た道を戻り、ナデッ窪道分岐から沼尻に向け進む。
分岐まで来た時には、マナイターもすっかり晴れて、見上げるとクッキリと望める。
眼下にも尾瀬ヶ原と尾瀬沼が綺麗に横たわっている。
ナデッ窪道は、燧ヶ岳への登頂ルート中最も急峻なルートだそうで、下山時のルートとして選択したのだが、大変だった。
初夏には雪崩にも注意が必要らしく、雨上がりのため沢のようになっている。
大きな岩も多く、途中で会ったのは2組の3人だけ。
下山する組には会わず仕舞。
途中で、すっかり天気となり、日差しが強く暑さと、道の悪さにすっかり気が滅入ってしまう。
これでもかと思わずにいられない鬱蒼とした森をやっと抜けワタスゲの原っぱに出ると、沼尻平だ。
その先の沼尻休憩所で小休止。
ビッショリになった服を脱ぎ冷えた缶ビールを頂いた。
思いの外、急な下りだった為、足は筋肉が張っている。
今にも筋肉がつりそうになっている。
小休止の後、尾瀬沼沿いに反時計回りに、尾瀬沼山荘を目指し、整備された木道を歩く。
多少のアップダウンはあるが、沼を望みながらは、気持ちがよい。
尾瀬沼山荘に着き、預けた荷物を返してもらい荷造りをして大清水を目指して、三平峠までの最後の登りを行く。
三平峠まで行けば後は、全て下りとなるので気楽である。
しかし、1日の疲労が足には相当溜まっている。
油断は禁物である。
少しの段差でも慎重に、無理せずに進む。
右に川が見え、道が開けてくると、やがて広い道に出て橋の向こうに一ノ瀬休憩所が現れる。
休憩所から先の道は、昨日あれだけうんざりした登道も今日は、余裕の下り道。
ユックリと歩を進めれば大清水の駐車場が見えてくる。
車に着くと、汗ビッショリの服を脱いで着替えをし、家路への車をスタートさせる。
企画案内状
Sent: Thursday, September 16, 1999 12:57
PM
Subject: 尾瀬の1泊ツアー
前略 お疲れさまです。いつもお世話になっております。
さて、うちの家内と来る9月24日(金)から25日(土)に尾瀬に行こうかと計画しています。大まかな予定は、24日(金)朝9時頃に川越市自宅を出発し、関越自動車道を沼田IC迄走りそこからは、国道120号線で日光方面に向かい約25q行き国道401号線に入り戸倉へ行きます。金曜日で有れば戸倉から鳩待峠まで自家用車で行けますが、シーズンによってはマイカー規制があり、バスかタクシーで行くことになります。
鳩待峠から歩いて、長蔵小屋を目指します。長蔵小屋付近は山小屋やキャンプ場が幾つか有ります。此処で一泊して翌日燧ヶ岳に登るか?他のルートを散策するかして、帰路の鳩待峠を目指し、帰ってきます。山小屋に泊まれば荷物はグッと少なくて済みます。空いている時期だと部屋もユックリと利用出来ます。夜はかなり寒いです。
合流できそうな方は、宿泊等の詳細を連絡を致します。
お知らせください。 草々
Sent: Friday, September 17, 1999 2:39 PM
Subject: Re: 尾瀬の1泊ツアー
こんにちは。亀**子です。
お誘いありがとうございます。
この時期はお休みを多く頂いているのと息子の体力が回復していないのとで、少し無理です。
先だって、母が宮崎から出てきていた時、「何処へ行きたいの?」と聞いたら、「尾瀬に行きたい」という言葉が思い出されます。
連れて行きたかったのですが、行ったことが無いので、しり込みしてしまいました。
次回には是非行きたいと思います。
次のお誘いを楽しみにお待ち申し上げます。
Sent: Friday, September 17, 1999 3:21 PM
Subject: Re: 尾瀬の1泊ツアー
碇*です。
本当にご苦労様でした。
行きたい。。でも引越しの最中でいけません。
又誘って下さい。
Sent: Monday, September 20, 1999 4:10 PM
Subject: 返信:尾瀬の1泊ツアー
坂**夫です。ただいまの時刻は1999/09/20 16:10:20です。
「尾瀬の1泊ツアー」について返信します。
2週間のリフレッシュ休暇も終わり、未だ仕事のリズムになっていません。
然し、早速、明日21日から25日にかけて3ユーザ対応で出張が続きます。
従って、尾瀬に行きたいのですが、その上空を九州と東北間で飛んでいますので行けません。
Sent: Monday, September 20, 1999 5:21 PM
Subject: 尾瀬行について
西さんへ
先日の尾瀬行について、返信メールのように計画予定に組み込んでおりましたが、週が明けて、急な仕事が入ってしまいました。
昨今の小社の経済状況を考えると、断われるような仕事でないため、今回はご迷惑をお掛けすることになりますが、尾瀬行きを取り止めざるを得なくなりました。
また、今度お誘いください。
秋の秩父の山並みにも熱い視線を送っています。
奥様にも、よろしくお伝えください。
報告書に寄せて
sent: Thursday, July 13, 2000 3:02 PM
西さんへ
直ぐにでも折り返し、返信すれば良かったのですが、入稿どきと重なり、慌ただしく過ごしてしまいました。
本日、しっかり読ませていただきました。
なかなかの手記で、当日の様子が伝わってきます。どうもありがとう。
やはりこの足で辿りたいものです。
実は先日の日曜日には、久しぶりに高尾山口から景信山、陣馬山と6時間コースを鈍った足でひたすら歩いてきました。
久しぶりだったので、秋の行楽の人出に面食らってしまいましたが、
さすがに気持ちのいい秋日和でした。
尾瀬といえば、山岳の草花の写真では第一人者といわれるカメラマンの知人(そもそもは家内の男友達で、家族ぐるみでよく麻雀やったり、数年前までは年末年始に鹿島槍の山小屋へ泊まりがけでスキーに行ったりという仲。
でも最近はご無沙汰してます)木原浩氏に頂いた写真集「尾瀬」(山渓?)、「尾瀬の花」(同)に親しんでいました。
一度は彼の写真集を手に取ったことがあるかも知れませんね?
また、彼の同級生の落合慎一氏(木原氏とは山岳仲間で、料理好きが高じて今では中野坂上に日本酒と料理の店を開いています。山では料理当番専任だったらしい。鹿島槍での食事はいつも彼にお任せ、小生は後かたづけ)は、
野外料理(野山のテーブル?だったか)の本、他も出しています。
今度、時間を作ってここで一杯やりましょう。新宿からは直ぐですね。