20 1997.11.01-02 ★★ 雲取山 2,017M ★★
1.はじめに
お話では「雲取山」に行かれたそうで、実は私も家内と二人で11月1日〜2日に雲取山荘に一泊する山歩きに行きました。
行程は、青梅街道の御祭バス停の登り口に車を停め、林道を歩きながら登り、三条の湯を経由し三条ダルミから直登せず山荘に迂回するルートをとり山荘へ一泊しました。
翌日、山荘から雲取山に登り、三条ダルミに下り、同ルートを下りてきました。
2.気楽なハイキング(お祭り〜三条の湯)
車を停めた御祭から約7キロ程の林道は、車が入ることが出来、沢山の車が停まっていました。
知っていれば私もそうしたのですが家内任せで標高2,000メートルと云うことで甘く考えていたのでとんだ2時間に及ぶハイキングになってしまいました。
途中の紅葉(黄葉)は綺麗でゆったりとした気分で楽しめました。
御祭から歩き始めたのが11時過ぎでしたから、無謀な山登りのツケは後ほど詳しくお話しします。
さて、林道の途中で何人かの紅葉の写真撮影の方々を見かけ、山登りの装備は殆ど無く、でかいカメラを持ってゆっくりと場所を選びながら登っていました。
12時頃になり林道沿いの広々とした場所で昼食を取り缶ビールを一本頂きました。天気は終始快晴で、
かいた汗も食事の合間に乾くほどの陽気で快適そのものでした。
腹ごしらえも済ませ、残り僅かとなった林道を更に進み、ようやく車の行き止まりまで行き着きました。
それから三条の湯迄、谷川を鋭く切り裂いたような渓谷の崖の途中に出来た細い山道をゆっくりと登りました。
先程までの林道と違い、車の乗り入れもなく行き交う人も少なく(1時頃のため少ない)、細い山道の直下に、遠く見える沢の音が時にさらさらと、時にゴーゴーと聞こえるだけでした。
30分程登ると三条の湯に到着し小休止し、ここで今日予定の行程を確認してみるとビックリ。
3.急変する過酷な山登り(三条の湯〜三条ダルミ)
この三条の湯から山頂までは3時間かかる。
現在2時前、うまく行っても5時。
いやいやこうゆう場合のガイドはとかく熟練した登山家がロス無く登ったときの最短に近い内容のはず。
一気に緊張感が全身に走り、高々標高2千程の山ごときと軽く考えていた自分に呆れるやら、途方に暮れるやら、・・・。
とにかく、5時を目安に何とか山荘か山頂に到着できれば何とかなるか、と云う思いで小休止もそこそこに先を急ぐことにしました。
後で家内と話したら、家内もかなり不安だったそうです。
三条の湯から三条ダルミまでは、それまでの渓谷沿いの細い山道を更に深く切り裂き急登や、岩場有りと息付く暇も無い、まさに山登りを満喫できるものです。
30分ごとに家内が小休止の申し出を2回迄は聞き入れ、3回目は「もうすぐ三条ダルミだから、そこに付いたら休憩しよう」と云いながら1時間弱休憩無しで登りました。
家内は相当疲れた様で、もうすぐと云いながらなかなか着かないなと思っていたようです。
何とか4時20分頃三条ダルミに到着し、5時迄には山頂に何とか行けそうだとホッとしました。
4.不安を抱えたままに最後の登り?(三条ダルミ〜山頂?山小屋?)
陽は殆ど傾き小休止しているほんの5分程の間にも影になりヒンヤリとして、不安な気持ちをいやが上にも駆り立てられました。
気を取り直し(半ばヤケクソですが、というのも山頂について真っ暗になったらどうするの?
実際には避難小屋があるが、それは後で判る事でこの時は、存在を知らなかったのです)、とにかく山頂を目指し出発しました。
と、その時、数少ない標識が現れ(今回のルートは標識が少なく、途中で不安になっていました。)山頂まで30分、山荘まで30分と表示されています。
この時の感激。先程迄のヤケクソな不安は、一挙に解消され、山荘に5時迄に着けると思うと勇気百倍、何でもこいの思いです。
家内と二人、ガイドブック等にもなかったこの迂回ルートを天の助けと先を急ぎました。
この迂回ルートは、殆どの登山者は、利用しないようでかなり荒れていました。
幸い道が山の西側を取り巻くように迂回する為、傾き掛けた夕日が木々の間から荒れた山道を照らしてくれました。
山道は荒れた上に踏み外すと深い谷に滑り落ちそうで不安で、至る所に霜柱が目立ち、日没前の一瞬の夕日だけが当たっていることが直ぐに理解できます。
5時前になり山荘は未だかと思い、耳に手を当て辺りの音に気を配り暫くすると、人の話し声が微かに感じられる様になり、振り返り家内に山荘が近いことを告げ、漸く安堵できると何ともいえぬ幸福感に浸って山荘を目指しました。
山荘が見え、途中に水場がありましたが何と氷柱がざがっており、さすが標高2千と感心してしまいました。
5.今は無き山荘に思い出の泊(雲取山荘)
山荘に到着すると人でごった返しており、素泊まりの手続きを済ませ係りの人に場所に誘導され、今晩の雑魚寝の寝床に案内されました。
最初は、薄暗い上に、所狭しと人がひしめき合ってゲッソリとしましたが、山小屋なんてこんなものと気を取り直し食事をとり、缶ビールを頂きました。
とても寒く持参していたゴアテックスの雨具を防寒用に着込み、冷えたビールを流し込みました。
他の人は食事を頼んでいる人が多く、狭い食堂に群がるようにしていました。
8時頃には各自の布団が割り当てられました。
ビールの他に持ち込んだパック酒を煽り酔っぱらっていた私は、すぐに高鼾だったそうです。
翌日は、6時前にご来光が拝めると周りがざわめいていましたが、寒いのと急ぐ必要もないので布団で寝入っていました。
6時半頃山荘の中も人が少なくなり外もかなり明るくなっていたので、外で朝食を取ろうとのことで山荘前のテーブルに出て、お湯を沸かしてインスタントラーメンを作り食べました。
とても幸せな一時を過ごしました。
未だ朝日も弱くちょっと影になると途端にヒンヤリとします。
食事を済ませ身支度をして、出発です。
6.余裕タップリの快適な山行き(山荘から頂上を経由し下山)
二日目の今日は、山頂に登り、後は下るだけ、一日目とは打って変わって、十分すぎるほど余裕のある行程です。
準備にゆっくり時間を掛け、いざ山頂へ。
山荘から山頂までは、朝日を左に見ながら山で影になる急登の道を20分程登れば直ぐです。
山頂は、四方遮るものが無く大パノラマ。
安定した天気は今日も快晴で、早朝で澄んだ空気の中で浮かび上がった富士、遠く雪を被った谷川連峰等々。
昨夜山荘で知り合ったパーティの人達と再会?し、共にその素晴らしさを満喫しました。
記念撮影、小休止をして、暫くして下りルートに進みました。
少し行くと避難小屋が有り、覗くと高校生ぐらいの10名弱の宿泊者が居ました。
昨夜泊まった山荘とは雲泥の差で、綺麗で隙間風も入らないような立派なものでした。
山荘に泊まっていた人の中に、この避難小屋のことを話している人がいて、その人もいつもはシュラフ等を持ち込んで避難小屋に泊まるそうです。
私も家内と次回は是非この避難小屋に泊まってみようと決意し、下山の途につきました。
昨日とは本当に一変し、家内と色々と話をしながらゆっくりと下りていきました。
改めて「三条ダルミまでのもう少し」が長かった、だの、途中不安だった、だのと、私同様不安や雲取山を甘く見ていた反省を話し楽しく過ごしました。
三日連休の二日目だったため登ってくる人が大勢いて、細く険しい山道を苦しそうに登る人達に「頑張って!」と声援を送りながら、山頂に着けば疲れは癒えると確信しながら見送っていました。
山頂から、三条ダルミまでは結構単調で危険は無い道ですが、かなり急なので今日下るだけの私と家内は、「ここを登るのは辛い!」と、改めて昨日の山頂制覇を断念したことに安堵していました。
ゆっくりと下り三条の湯に着いたのが10時頃でした。ホッとして、残りも僅か。
思わず出た言葉が、「ビール買って!」。家内もそのつもりだったらしく、快く目の前の山荘から買ってきてくれました。
歯磨きをして、ちょっと早い昼食を取りながら美味しくビールを頂きました。
実にうまい!
元気いっぱい、余裕を持って、最後の行程を出発しました。
途中から、なだらかな林道になり後方から山を後にしていく車を見送りながら、今度車が来たら乗せてもらおうと、家内に話し恥ずかしがる家内を余所に、二台目の車に乗せてもらいました。
7.あとがき
ざっとこんな山登りでしたが、??さんはどうでしたか?
10月10日〜11日に家内と尾瀬の至仏山〜尾瀬ヶ原〜三条の滝ルートを一泊2日(山の鼻で持ち込みテント泊まり)しました。
機会があれば、其の報告もしたいと思います。
> 送信日時 : 1997年 11月 11日 Tuesday
22:18
小生(??)は、調子は上々です。
仕事も程々に忙しくしていますが、暇を作って山歩きをしています。
先月は東京都の最高峰“雲取山”へ山小屋一泊しながら登ってきました。
行程は約10時間。
9日は知り合いに誘われて日原鍾乳洞へ紅葉狩りに、奥多摩駅から往復20Kmの行程を歩いてきました。
山歩きにはすばらしいときです。
> Sent: Thursday, November 20, 1997 10:48
AM
うちのカミさんにもプリントして読ませてあげました。
彼女はあまり高い山はやらないのですが時々一緒に歩いています。
といってもこちらは真面目に山歩きを初めてまだ1年程、といったところですので、地元の山歩きの会に入会しながらあちこち顔を出しています。
今年は忙しくて実現できませんでしたが、来年はぜひ北アルプスや八ヶ岳をやろうと思っています。
ところで、小生の雲取山は10月上旬、総勢30名程の連中と奥多摩駅よりバスでお祭まで行き、バス停までから同様に三条の湯まで歩きました。
これは予定通りで、三条の湯で風呂に入り一泊。
翌朝三条ダルミから直登し、七ツ石を経て鴨沢へ下りました。
お祭からの行程はふつうなら麓まで林道を車で行くことになるのでしょう。
こちらは歩くのも健康法の一つだと心得ていますのでそのつもりで出掛けたのですが、西さん夫妻のルートではとんだロスタイムでしたね。
いまどきの日没はつるべ落としですからね。
> 10月10日〜11日に家内と尾瀬の至仏山〜尾瀬ヶ原〜三条の滝ルートを
> 一泊2日(山の鼻で持ち込みテント泊まり)しました。機会があれば、其の
> 報告もしたいと思います。
今度尾瀬の話も聞かせてください。